2010年4月18日日曜日

五歳栄養素のタンパク質って何ですか?

五歳栄養素のタンパク質って何ですか?
今回は、人間が生きていくのに必要な栄養素は、
タンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂質の5種類があります。
その必須栄養素のタンパク質についてです。

タンパク質は、20種類のアミノ酸分子が鎖状に繋がった巨大分子です。
アミノ酸の種類、組み合わせ、数により様々なタンパク質ができます。
中でも大豆に含まれるタンパク質のペプチドは、
有益なタンパク質として広く知られています。

大豆に含まれるタンパク質は、子実中の約35%にも達し最も多い成分です。
また、大豆タンパク質の消化吸収率は、
吸収率が非常に高いと言われる動物性タンパク質に匹敵するとともに、
タンパク質を構成するアミノ酸のバランスが良く、
高い栄養価を持っています。

この大豆タンパク質にはいろいろな効果があることが分かっています。

□血中コレステロールの低下
血液中のコレステロール値が高い状態が長く続くと。
血管の内側に余分なコレステロールが付着し、
血管を硬くし、血管の中を狭くしていきます。
これを動脈硬化症といいますが、
この動脈硬化症は脳梗塞や狭心症、心筋梗塞へ進行する可能性があります。

大豆タンパク質は、
血中コレステロールを低下させる作用があることが明らかになっています。

体内のコレステロールは胆汁酸を経て腸と肝臓を循環していますが、
消化される胆汁酸の量が増えるとコレステロールから胆汁酸が作られ、
失われた分が補填されるため、
結果的に体内(血中)のコレステロールが低下することになります。
大豆タンパク質については、
タンパク質分解酵素で処理された後の非消化分が、
胆汁酸と協力に結合し体外に排泄されることが報告されており、
血中コレステロールを低下させるのは新たな胆汁酸の
生成を促進するためと考えられています。

なお、米国食品医薬品局(FDA)では、
大豆タンパク質のもつコレステロール低下作用に着目し、
大豆タンパク質を1日あたり25g(大豆75g=豆腐一丁)を含む食品について
「心臓病のリスクを低減する食品」という趣旨の表示をすることを認めました。

□血圧上昇抑制
静かなる殺人者(Silent Killer)といわれる高血圧症は、
日本では成人の半数近くがかかっているといわれます。

大豆タンパク質が分解されてできるペプチドは、
血圧の調節に関与する酵素であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を
強く阻害することが報告されています。
ACE阻害剤は血圧上昇剤として用いられているため、
大豆タンパク質にも血圧上昇の抑制効果があると考えられます。

□抗酸化作用
不飽和脂肪酸の酸化によって生じる過酸化物やフリーラジカルは、
食品の風味や栄養価などを損ない、
品質の劣化を引き起こすだけでなく、体内においては生活習慣病や
老化などを引き起こす引き金になるといわれています。

大豆タンパク質が分解されてできるペプチド類は
抗酸化作用を持つことが知られています。

なお、タンパク質分解物の抗酸化性は、
多様な作用機構をもつ各種のペプチドの共同作業によって
生み出されたものです。

□肥満防止
タンパク質を摂取すると、
交感神経が刺激され活性化して、
褐色細胞組織(ここで熱産生が起こり、体重がやたらに増えないように
調節が行われている)での熱産生が高まりますが、
大豆タンパク質を摂取すると、
この余分なエネルギーを消費する作用がほかのタンパク質に比べ
大きいことが報告されています。

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