2010年4月15日木曜日

高血圧  ~ちゃんと眠らないと命が危ない?~

高血圧
 ~ちゃんと眠らないと命が危ない?~
高血圧がこわい生活習慣病のひきがねになることはすでに一般的ですが、睡眠の異常が高血圧につながることをご存知でしょうか。

今の社会人は常に忙しく、また精神的な緊張状態も長くつづきがちです。こういったストレスや不規則な生活がねつけない、熟睡できないといった睡眠障害をまねき、結果的に高血圧、それが生活習慣病とつながっていく可能性があるのです。
生活環境が大きくかわることの多い春先は、特にそういったストレスに注意を向ける必要があります。「最近、よく眠れた気がしない」という方は、一旦生活全般を見直す必要がありそうです。

■ストレスからくる高血圧のしくみ

ではここで、ストレスから「高血圧」がおきるしくみを簡単におさらいしましょう。

まず血圧とは、血流が内側から血管にかける圧力のことです。単純に考えて、血管が細くなれば圧力は高くなる、ということになります。

ストレスを感じると緊張状態を促す交感神経が活性化され、興奮物質であるアドレナリン、ノルアドレナリンが放出されます。これを受けて心拍数があがり、一回の心臓収縮で送りだされる血液の量も多くなります。また同時に、緊張状態では血管は細くなるため、相互作用によって血管への圧力、つまり血圧があがる、ということになります。

■不眠というストレス、ストレスでの不眠

睡眠がうまくとれないというのは、生き物にとって大変大きなストレスになります。つまり不眠自体が高血圧へのスタートとなるわけです。

ストレスが交感神経を優位にして眠れない状況を作り出すと、その眠れない状況がまたストレスとなり、これがまた交感神経を優位に...というように、不眠とストレスの悪循環が起こってしまう可能性もあります。
すると連鎖的に高血圧状態が続き、心臓への負担が過剰となり、最終的には心臓が原因で命を落とすことさえ予想されます。

まずは疲労、寝不足、心配事、といったストレス要因をなんとかしなければなりませが、実際に仕事をする日常でそれらを完全に排除するのは、事実上不可能といえるでしょう。また人にはある程度のストレスへの耐性も備わっており、すべてをなくす必要はないともいえます。

■気軽に心療内科を受診しよう 交感神経を休ませる

しかし「眠れない」というのは、その耐性を上回ってしまったサインです。その時点で交感神経が暴走ぎみになってしまっているのです。こういった場合は、迷うことなく気軽に心療内科を受診し、交感神経にブレーキをかける治療を受けましょう。最近は大変よい薬もあり、副作用も少なく早い改善を期待できます。

心療内科のある病院を探す

■本人も気づかない 睡眠時無呼吸症候群

近年、大きな交通事故の引き金になるなどで広く知られるようになった「睡眠時無呼吸症候群」もまた、血圧に悪影響を及ぼすことがわかってきました。これは睡眠中、10秒程度呼吸がとまっていることが十回以上おこるという病気です。

・サインを見逃さない(1) いびき
いびきは睡眠時無呼吸症候群の症状のひとつです。家族に指摘されて気づくことがほとんどだと思いますが、ひどいようなら睡眠障害の専門外来を受診することをお勧めします。たとえ無呼吸の症状がなくとも、いびきだけでも質の良い睡眠を妨げることになりますし、家族の睡眠にも悪影響を及ぼしてしまいます。
また受診の際は、できれば気付いた家族に同行してもらうのがベストです。本人では、いびきの様子を医師に正確に伝えることができません。

・サインを見逃さない(2) 昼間の眠気
睡眠時間はじゅうぶんなはずなのに、昼間にがまんできないほど眠くなる症状が続いたら、十分な休息がとれていない証拠です。こういった場合も睡眠障害に関するチェックを受けたほうがよいでしょう。

■血圧と睡眠をもっと考えよう

仕事も娯楽もあふれる現代社会のなか、たくさんのことをこなそうとしたときに真っ先に犠牲にされがちなのは「睡眠」です。しかし、睡眠の質や量は血圧に強く影響します。
よい睡眠がとれないことは血圧の異常、特に高血圧をまねき、これは心臓病、動脈硬化へとつながります。結果的に、「ちゃんと寝なかった」ことで命を失う可能性もあるということなのです。

「睡眠」をもっと考えてみませんか。

0 件のコメント:

コメントを投稿