「慢性腎臓病(CKD)と生活習慣病の関わり」
講師 政金生人さん
加齢や生活習慣病が発病に拍車をかける
定員500人のところに1500人を超える応募があった今回のセミナー。まず最初に登場したのは、腎疾患のトータルケアを行っている医師の政金生人さんです。
「現在の腎臓透析患者は約30万人ですが、それは氷山の一角。専門医の診察を受けたほうがよい人は、420万人ともいわれているんですね。これは、日本人の約30人に一人の割合です」
そもそも腎臓には、体液中の塩分や水分のバランスを調整したり、血中の老廃物をろ過して尿中に排出し、きれいになった血液を心臓に戻すといった機能が備わっています。
「ただ、残念なことに腎臓の機能は加齢とともに弱っていってしまいます。さらに腎臓は、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の影響を受けやすく、生活習慣病の増加とともに腎機能が低下する慢性腎臓病も増えているのです」
腎臓の機能が低下すれば、体内に余分な水分や塩分がたまり、血圧が高くなったり、むくんだりします。また、老廃物がたまりやすくなるので、だるくなったり、吐き気や頭痛に悩まされることも…。造血ホルモンが足りなくなるので、貧血も起こります。
「さらに、進行すれば人工透析の必要が出てきますし、心臓病や脳卒中といった心臓血管病を引き起こす可能性も高くなります。自覚症状から見つけることが困難な病気だけに、定期健診や食生活の見直しで予防をしたり、進行を止めることが大切です」
【政金生人さん】 医療法人社団清永会矢吹嶋クリニック院長。 1986年、山形大学医学部卒業。2000年、同大学大学院医学研究科修了。山形大学医学部付属病院などを経て08年より現職。
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