▽瀬戸田の住民も協力
県立広島大保健福祉学部(三原市学園町)の堂本時夫教授(健康科学)のグループが、レモンの日常的な摂取で血圧が下がるとする研究結果をまとめた。尾道市瀬戸田町など産地の住民の協力で摂取量などを記録して調べた。8月に東京である日本健康科学学会などで報告する。
広島県内産レモンのPRにつなげようと、大手飲料メーカーと共同で実施した。日常生活での摂取を対象とした研究は珍しいという。瀬戸田町と大崎上島町のレモン農家の女性(40~80歳)111人が2008年9月から半年間、食べた量や摂取法を毎日記録。調査開始時と終了時に血圧測定や血液検査をして変化を調べた。
その結果、1日にレモン2分の1個程度に当たる果汁15ミリリットル以上を取った人は、開始前と比較し最高血圧の数値が平均で2~3低下した。中には30ほど下がった人もいたという。グループは「レモンに含まれるクエン酸による効果ではないか」と分析。動脈硬化などを防ぐ血中アディポネクチン濃度も増加した。
また、今年3月には男女102人を対象に過去3カ月のレモン摂取量の聞き取りや健康調査を実施。性別に関係なく摂取量が多い人ほど血圧が低い傾向にあることも確認した。
研究は今後も継続し、効果的な摂取方法などの調査も進める。堂本教授は「レモンへの注目度がアップすることで、地元の農業の発展や観光振興に貢献できれば」と期待している。(和泉恵太)
0 件のコメント:
コメントを投稿